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![]() マイケル・ウィンターボトム監督が挑む、近未来SF映像叙事詩! 進化したテクノロジーが、禁断の愛を生み出す! ![]() クローンなどの遺伝子テクノロジーの発展や管理社会の浸透といった現実味のある近未来の設定を活かしながら、古代ギリシャから受け継がれてきた愛を巡る運命やタブーについての物語、あるいは、都会で暮らす男女による犯罪と恋愛というノワール・スリラーの伝統に繋がる物語を、時にムーディーに、時に熱く綴っている。 環境破壊が進み、都市部に密集した人口を徹底管理する社会となっている。パペル(滞在許可証/パスポートとビザの機能を併せ持つ)の偽造事件を調べるため、24時間の許可を得て上海に入った調査員ウィリアム(ティム・ロビンス)は、パペル印刷所で働くマリア(サマンサ・モートン)と出会い、彼女が犯人だと知る。しかし2人は不思議なほど惹かれあい、たちまち恋に堕ちる。それがCODE46に抵触するとも知らずに・・・。 サマンサ・モートンとティム・ロビンス。存在感や演技力、俳優としての旬の勢い。そのどれをとっても申し分なく強力で的確なキャスト。ウィンターボトムは本作でこれ以上ないキャスティングをすることに成功した。 どこか孤独で陰のある、それでいて社会への反抗の精神を秘めた若い女性マリアを、サマンサ・モートンが熱演。ウディ・アレン監督の『ギター引きの恋』(99)でのショーン・ペンとの共演での初のオスカーノミネート、『マイノリティ・リポート』(02)ではトム・クルーズと共演し、メインストリームでも広く知られる存在となった。2度目のアカデミー賞にノミネートされた『イン・アメリカ 三つの小さな願いごと』(02)で、圧倒的な存在感をスクリーンに刻みつけた若手実力派女優が、本作ではティム・ロビンスと堂々と渡り合うばかりか、作品全体を引っ張るかのような力強いパフォーマンスを展開している。 初めて訪れたい異国の地で20歳近くも年の離れた若い女性に心を奪われ、自宅で待つ妻や息子への想いとの間で引き裂かれる穏やかで繊細な男性ウィリアムを演じるのは、ティム・ロビンス。すでに名優としての評価を確立させて久しいロビンスだが、やはりショーン・ペンと共演したクリント・イーストウッド監督の『ミスティック・リバー』(03)でアカデミー賞助演男優賞を獲得した勢いそのままに、知的でなおかつ情熱的な中年男性像をさらに渋さを増した演技で披露してくれている。 2人が演じるラブシーンは、すべての人の心の奥を締め付ける美しさとせつなさを併せ持った映画史に残る名シーンとなった。 ![]() 近未来の異国の地、2人は引き寄せられるように出会い、恋に堕ちた。 それはまるで必然であるかのように。 ![]() 上海でパペルを審査・発行するスフィンクス社に勤めているマリア・ゴンザレス(サマンサ・モートン)はその日、26回目の誕生日を迎える。毎年、誕生日のたびに同じ夢にうなされてきたが、今夜の夢で自分の運命が決まるという予感に怯える彼女は、一晩中眠らずに夜を明かそうと決意している。事実、マリアにとってまさに“運命の人”との出会いが刻一刻と迫っていたのだった……。 その頃、シアトル発の飛行機が上海の空港に降り立つ。調査員ウィリアム・ゲルド(ティム・ロビンス)にとって初めての上海。連続して違法パペルが発行される事件がおき、犯人を突きとめてほしいとのスフィンクス社の依頼に応えての訪問だった。共鳴ウイルスの服用を許されている彼は、ほんの短い会話を交わすだけで相手の嘘を見破ることができ、マリアが犯人だと知る。ところが、彼は彼女をかばいスフィンクス社の管理者に虚偽の報告をする。普段は職務に忠実なウィリアムだが、すでにマリアに対して抵抗しがたい感情を抱き始めていたのだった。 その夜、ウィリアムと食事に出かけたマリアは、動物学者デミアンに違法パペルを手渡す現場を彼にわざと目撃させる。デミアンはコウモリ研究のためにインドへ行きたいのに何らかの事情―スフィンクス社の“調査結果”―により、パペルを入手できずにいたのだ。かつて父親が不祥事を犯し、両親と共に上海の外部に追放された経験をもつマリアは、法を犯してまで安全な都市を飛び出し、自らが信じる道を歩もうとする人々の勇気に共感し、違法パペルを偽造してきたという。管理社会のルールを守ることに何の疑問も持たない生活を続けていたウィリアムにとってそんなマリアの存在は驚きであるとともに、強い魅力を感じずにはいられなかった……。
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_Movie Information | Dondetch_ |