_ モンスター


「無垢ゆえ死んだ女性の真実を!」13kg増量し難役に挑む女優魂にアカデミー賞は輝いた

「私の夢を叶えるために、いつも多くのことを犠牲にしてくれたお母さん、本当にありがとう」
今年のアカデミー賞の授賞式。最優秀主演女優賞を獲ったシャーリーズ・セロンの頬を涙がつたい会場は感動に包まれた。実はシャーリーズが南アフリカにいた少女時代、家族は父の家庭内暴力に悩み、あるときシャーリーズを殺そうとした父を母が射殺(正当防衛)。

 親子は苦難の人生を送ってきた。今は「世界で最も美しい50人」に選ばれるほどの美貌と、バレエで鍛え上げたスレンダーなスタイルを武器に、『サイダーハウス・ルール』など数々の映画で魅惑的なヒロインを演じ続るその彼女が、主演に加えプロデューサーを買って出るほど、すさまじいまでの女優魂を見せつけ、13キロ以上も体重を増量し「モンスター」と呼ばれた実在の連続殺人犯役に挑戦。

 その迫真の演技にアカデミー賞ほか2003年度の各映画賞を総ナメにした、本年最高の話題作。アメリカ初の女性連続殺人犯として、社会を震撼させたアイリーン・ウォーノスの誰も知らなかった真実。それは人を信じ裏切られ、それでも人を信じた一人の女性の人生が、せつなく胸に迫る感動のドラマ。この傑作に全世界が驚き、そして惜しみない賞賛の拍手を贈った。


「泣かないで、私の心」2002年10月死刑となった女性の切ない真実とは

 主人公のアイリーンは全米初の女性連続殺人犯として<モンスター>と呼ばれスキャンダラスに取り上げられ、2002年死刑に処されている。シャーリーズは本作が長編デビューとなるパティ・ジェンキンズ監督とともにアイリーンにコンタクトを取り続け、死刑前夜に本人から了承をとり、10数年にわたる彼女の手紙などから真実に迫っていく。

 不幸な環境で生まれ育ち、虐待と侮辱に彩られながらも希望を持ち、娼婦として過酷な日常を生き抜いてきたアイリーン。しかし夢見ることに疲れ自殺を考えたその時、生まれて初めて自分を蔑むことなく愛してくれる人とめぐりあう。再び生きようと思うアイリーンだが、客に死の寸前まで暴力をふるわれ、とっさに相手を殺害してしまう…。

 普通の幸せを求めながらも、アメリカ社会の閉鎖性に生きる道を失っていくアイリーン。シャーリーズの熱演とジェンキンズ監督の精神は単なるドキュメントではなく社会の偽善や歪すら浮き彫りにするのだ。


キャスト_ シャーリーズ・セロン「サイダーハウスルール」、クリスティーナ・リッチ「スリーピーホロウ」
監 督_ パティ・ジェンキンス
クレジット_ 製作:シャーリーズ・セロン、マーク・デーモン、クラーク・ピーターソン、ドナルド・カシュナー、ブラッド・ワイマン/原題:MONSTER/提供:ギャガ・コミュニケーションズ/配給:ギャガGシネマ/宣伝:ギャガGシネマ風/協力:松竹/2003年/アメリカ/109分/ヴィスタサイズ/SRD,ドルビーSR,デジタル,dts
公 開_ 9月 シネマライズ他全国順次ロードショー
公式サイト_ http://www.gaga.ne.jp/monster/


_Movie Information Dondetch_