_ コーラス


フランスで7人に1人が泣いた!
憂いを秘めた"奇跡の歌声"を持つ美しい少年と23人の子供たち、そして1人の音楽教師。それは聴くだけで涙があふれる不思議な歌声だった…。


 世界が恋した『Shall We ダンス?』
 89年「ニュー・シネマ・パラダイス」、00年「リトル・ダンサー」......そして2005年、ひとりの音楽教師と子供たちが織りなす、胸がはりさけそうなほど切なくて美しい物語「コーラス」がいよいよ日本に上陸する。

 戦後の貧しい暮らしで親との別居を余儀なくされた子供たちの暮らす寄宿舎。体罰を与える校長の厳格な教育方針のもと、子供たちの固く閉ざされた心は悲鳴をあげていた。その声なき声に耳を傾けたのは、新しく赴任してきた中年のさえない音楽教師だった。彼は「歌」を通じて生きることの素晴らしさ、愛すること尊さを教え、無償の愛を子供たちに注ぐ。子供たちの冷たくかじかんだ心を、歌がゆっくり溶かしていく。青白かった子供たちの頬が、喜びでばら色に染まり始める。言葉にできなかった切ない想いが、歌にのせて解き放たれていく…。

フランスで社会現象を巻き起こした史上空前の大ヒット作!
2004年動員記録1位(870万人)、サントラ盤1位(150万枚突破)
 本作は2004年3月にフランス国内で公開されると同時に、その普遍的なテーマ性とひたむきな子供たちの姿に圧倒的な支持が集まり、瞬く間に「アメリ」の記録を抜きフランス映画史上空前のヒットを記録。公開15週で750万人を動員、フランス人の7人に一人が観たというほど多くの人に愛され、感動を巻き起こした作品としてヨーロッパ中で異例の一大現象を巻き起こしている。その勢いはとどまることを知らず、動員記録を日々更新、2004年にフランスで公開された全ての作品の中で、2位の「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」や「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」などを倍以上引き離す圧倒的数字で動員記録1位を記録した。また、本作の影響で100万人のフランス国民が新たに合唱団に登録、一躍「コーラス・ブーム」を巻き起こした。本作はアカデミー賞外国語映画部門フランス代表他、ゴールデン・グローブ賞外国語映画部門にノミネートされている。

“奇跡の歌声”と“天使の顔”を持つ美少年 ジャン=バティスト・モニエ
 本作が多くの観客の心をつかんだ大きな特徴のひとつに、子供たちの澄みきった歌声の存在がある。この歌声は、世界的に有名な聖歌隊「サン・マルク少年少女合唱団」の少年たちが奏でた、まさに「奇跡の歌声」。セリフ以上に雄弁に子供たちの感情を伝える歌声は、郷愁を匂わせる美しい映像と折り重なるように心に染みわたる魅力を備えている。

 中でも特筆すべきは、3,000人の候補者の中から選ばれ本作の主演を務めた当時13歳のジャン=バティスト・モニエ。憂いを秘めた歌声と本物の天使を思わせるルックスでフランス中を魅了した。実際に「サン・マルク少年少女合唱団」のソリストを務めるモニエは本作がデビュー作となり、その類まれなる美声は「歌声を聴いたら涙があふれる」と絶賛されている。少年たちの成長とともに、やがて永遠に失われていくボーイソプラノは、その声が美しければ美しいほどはかない輝きを放つ。

フランスを代表する国民的プロデューサー、
フランスで最も愛される俳優、そして音楽に愛を捧げる監督

 主人公のクレマン・マチュー役を演じるのは、「バティニョールおじさん」で味のある名演を披露した、フランスで最も愛される俳優ジェラール・ジュニョ。本作で子供たちを無償の愛で包み込む音楽教師を演じた彼は、名優の座を不動のものにした。
 製作および出演を務めるのはフランスを代表する名優であり国民的プロデューサーのジャック・ペラン。本作では「ニュー・シネマ・パラダイス」のサルヴァトーレ役を髣髴とさせる役柄を演じ、哀愁を漂わせるまなざしと深みのある演技で圧倒的な存在感を示している。さらにペランは俳優以外でも「11'09"01/セプテンバー11」「キャラバン」「ミクロコスモス」の製作や「WATARIDORI」の製作総指揮としても数多くの映画賞を受賞しているだけに、本作でもその手腕をいかんなく発揮している。 監督、脚本そして音楽を手がけたのは、ペランの甥でこれが長編デビュー作となるクリストフ・バラティエ。祖父母、両親、親戚のほとんどが映画に携わる文字通り映画一家に育ち、幼少から音楽を学び国際コンクールで様々な賞を受賞。自身の少年時代の経験と切ない想いを込めた脚本を18ヶ月にわたり執筆。サントラ盤に収められた美しい数々の楽曲も手がけている。音楽と映画の美点を巧みに生かした本作は、バラティエ自身の音楽家、映像作家としてのキャリアがあってこそ実現したといえる。
 大人たちが忘れかけていた「子供時代」というかけがえのない宝物の存在に気づかせてくれる魅力を持った「コーラス」は、「ニュー・シネマ・パラダイス」「リトル・ダンサー」など少年のひたむきな姿を描いた名作に続き、21世紀の新たなる名作として、映画史に残る感動作となっている。




世界的指揮者のピエール・モランジュ(ジャック・ペラン)は
公演先で母の訃報を知り、葬儀のために故郷へと戻ってくる。


 降りしきる雨の中、実家で物思いにふけっていたピエールのもとに、ひとりの男が訪ねてくる。それは、子供時代を一緒に過ごしたペピノだった。ピエールが懐かしい再会を喜ぶ中、ペピノは一冊の日記を手渡す。それは幼い日に自分の生き方を変えてくれた、ひとりの音楽教師の残した形見だった…。

 1949年、フランスの片田舎。失業中の音楽教師クレマン・マチュー(ジェラール・ジュニョ)は、「池の底」という名の寄宿舎に赴任する。この学校には、親をなくした子供や、素行に問題があり親元を離れた子供たちが集団生活していた。暗い瞳の子供たち。赴任当日、校門の前でマチューが目にしたのは、「土曜日に迎えに行く」という言葉を残して去っていった両親を待つ幼い少年ペピノ(マクサンス・ペラン)だった。今日が何曜日か分からないほど幼いペピノは、決して迎えに来ない両親をひたすらに待ち続け、毎日のように校門の外をじっと眺めているのだった。

 複雑な思いを抱いたまま学校内に足を踏み入れたマチューは早速、過激ないたずらで用務員に大ケガを負わせた子供たちと遭遇する。さらに、驚いたことにそこには「淋しさ」ゆえに心のすさんだ子供たちに、容赦ない体罰を繰り返す校長先生がいた。学校全体が温かさのかけらもない殺伐とした雰囲気で溢れかえっていた。もちろん、マチューも早々に子供たちのいたずらに手を焼くことになり、まともに授業もできない。挙句の果てには、鍵をかけて大切にしまっておいた楽譜まで盗まれ、荒らされてしまう。しかしそんな子供たちの心を理解したマチューは決して彼らを叱らず、体罰も加えないと決意する。

 子供たちに本来の純粋さや素直さを取り戻してもらおうと、マチューは彼らに「あること」を教えることを思いつくのだった。暗い瞳を輝かせるための「あること」。それは「合唱団」を結成し、歌う喜びを教えることだった。最初は面白半分だった子供たちも、徐々に歌うことの素晴らしさ、楽しさに目覚めていく。

 そんなある日、マチューは誰もいないはずの教室から"奇跡の歌声"を耳にする。驚いて教室の扉をあけたマチューの前にいたのは、学校一の問題児、ピエール・モランジュ(ジャン=バティスト・モニエ)だった。これまで誰にも心を開こうとしてこなかったピエールに、マチューは救いの手を差し伸べようと心に誓う。


キャスト_ クレマン・マチュー(音楽教師): ジェラール・ジュニョ、ラシャン(校長先生): フランソワ・ベルレアン、ピエール・モランジュ : ジャン=バティスト・モニエ(少年時代)/ジャック・ペラン、シャベール(体育教師): カド・メラッド
監 督_ クリストフ・バラティエ
公 開_ 4月 シネスイッチ銀座・シネリーブル池袋ほか全国<待望>のロードショー
公式サイト_ http://www.herald.co.jp/official/chorus/index.shtml


_Movie Information Dondetch_