![]() | ||||||||||||
![]() 2004年1月、サンダンス映画祭。 世界から注目を集めるインディペンデント映画祭の最高峰において「オープン・ウォーター」の上映会場は、立ち見が出るほど埋め尽くされ、観客はその驚異の映像に息を呑んだ。 ![]() 監督・脚本のクリス・ケンティスと妻でありプロデューサーであるローラ・ラウは、数年前にダイビング雑誌やニュースレターで目にしたある特殊な"真実の出来事"から、『オープン・ウォーター』の着想を得た。オープン・ウォーター<開放水域>に取り残されたダイバー達を中心とした出来事である。自身もスキューバ・ダイバーであるケンティスは、「これが他に類のない出来事なのか、あるいは頻繁に発生する出来事なのか」を調べ始めた。彼は、そのリサーチを通じて、非常にまれではあるが、これに似た出来事が実際いくつか起きていたことを知った。彼はまた、戦時中、アメリカの軍艦インディアナポリスが海に沈んで、漂流した兵士達のことについてもリサーチし、これらの記事から、広大な空や海に投げ出される脅威を経験することによって起こる人間の心と体の心理学的、生理学的変化について、さらに詳しく学んでいった。彼らはそれをベースに、独創的で痛ましく、身の縮む怖さを味わえる『オープン・ウォーター』の世界観を作り上げた。 ![]() ワーカホリックの夫婦、スーザンとダニエルは、 7ヶ月も予定を延期してようやく取れたバカンスで、カリブ海に向かう… ![]() 翌朝早く、ふたりはダイビングのツアーボート"リーフ・エクスプローラー号"に乗り込む。 「目的地は、マジックキングダム。そこで、みなさんを待っているのは―」 ボートは他のツアー客で満員。グループの輪に入らず「勝手にやろう」とダニエルは言う。 「ウツボ、アカエイ、エンゼルフィッシュ...、鮫もいますが見たくないひとは目をつぶっていればいい。この辺の鮫は人を襲わないので心配いりません」 ガイドが言い、ツアー客は水深18メートル、約35分間のダイビングへと意気揚々と海に飛び込んでいく。ダイビングを楽しむスーザンとダニエル。精神的に開放されたふたりは、この貴重なひとときを満喫する。しかし、ダニエルがウツボに見入っている間、海上のボートでは、今、まさに彼らが体験する最も怖い悲劇の序章が始まっていた...。 ふたりが満足して海面にあがってきた時、すでにスタッフの単純なミスで全員が乗ったと思い込み、ボートは彼らを残して岸に向かって去っていた...。 取り残されたふたりは、お互いに相手のせいだと文句を言いながらも、まだ助けが来るものだと思っていた。しかし、船が見えても向こうに気付かれず、徐々に脱水症状も起こしていき、海面の揺れに気分は悪くなる一方......、一向に変わらぬ状況に苛立ち、お互いを責める。しかし、この大海原に存在するのは相手の体のみ...、頼れるのはもうお互いだけなのだ。次第に彼らは気付く。 足は届かない 360度、岸は見えない 叫びは誰にも届かない 助けは来ない 酸素ボンベは残りわずか... ふたりが、自分たちの置かれた事態をようやく呑み込んだその時、無数の鮫が現れた...。 どうやって生き残る?
|
_Movie Information | Dondetch_ |