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![]() 不況、倒産、リストラ、失業...長引く不況は、現実味のあるものとして、現代のサラリーマンのストレスとなってのしかかる。 ![]() 世の中はごく少数のエリートに牛耳られ、権力を持つ強い者が勝利を収める。そんなことは百も承知だが、社会のルールに従って一生懸命働き、正直に生きてきた結果が貧乏暮らしだなんて、納得がいかない! 社会の不条理に対して誰もが抱かずにいられない、そんな怒りを、行動にぶつけるディック&ジェーン。一時は生活のために悪事に走っても、根は善良で憎めない彼らが、諸悪の根源である権力者に一泡吹かせてやろうとするのだから、痛快なドラマにならないはずかない。気づけば給料も年金ももらえず路頭に迷う社員2000人の敵討ちに発展してしまうビッグ・スケールの復讐劇は、日ごろのストレスを気持ちよく吹き飛ばしてくれる。 ディック&ジェーンにふんするのは、「トゥルーマン・ショー」「ブルース・オールマイティ」で人間味のあるキャラクターをユーモラスに体現してきた全米屈指のドル箱スター、ジム・キャリーと、「ディープ・インパクト」「さよなら、さよならハリウッド」でのヒューマンな好演が忘れ難いティア・レオーニ。ちょっぴり見栄っ張りなのが玉にキズだが、愛と信頼で結ばれたおしどり夫婦を、好感たっぷりに演じ切り、観客の共感を引き寄せる。 「ギャラクシー・クエスト」で落ちぶれた俳優たちやオタクをヒーローに押し上げた実績のあるディーン・パリゾットが監督を務めるとなれば、社会的弱者の奮闘劇に熱気が加えられるのは必然。負け組の逆襲を描くのみならず、勝ち組・負け組の安直にわけたがる風潮さえ軽やかに笑い飛ばす、懐の深い物語に、こうご期待! ![]() ニューヨークの街は、両手いっぱいの荷物を抱えながら、最後のプレゼントを探す人々で賑わっていた。 ![]() 昇進後のディックの最初の仕事は、CNNの経済番組に出演し、自社のPRをすること。ところが生放送中、とんでもないニュースが飛び込んできた。マクカリスターが過去2年で自社株のほとんどを売却していたというのだ。キャスターの追及をしどろもどろでかわした後、社に戻ると、社内は大混乱に陥っていた。吸収されたグロボテック社は今や存在しないも同然で、何も知らされていなかった社員たちは残務整理に大慌て。ヘリコプターで逃げるように立ち去るマカリスターを、ディックは呆然と見送る。 帰宅したディックを待っていたのは、ジェーンが勤め先の旅行代理店を辞職したという知らせ。彼女は仕事よりも家庭を優先させることを選んだのだ。グロボテック社の倒産を知らされた彼女は復職を考えるが、ディックは"何も心配するな、再就職の当てはある"と大見得を切る。しかし、現実は甘くない。部長職の肩書きにふさわしい再就職先が見つからないまま3か月が過ぎた。 負債だけがつのり、電気も止められた。マイホームだけが残されたものの、不動産が暴落したため、売り払っても借金は残る。背に腹は変えられず、ディックはスーパーで、ジェーンはスポーツジムで仕事を得るが、どちらも慣れない仕事にイライラし、すぐにクビになる始末。高級家具もプラズマテレビも売りに出したが、一時しのぎに過ぎない。マイホームの抵当流れ予告の通知を受け取るにいたり、ディックはコンビニ強盗を決意する。ジェーンに"バカはよして"と止められるものの、店員に銃を向けた以上、後戻りはできない。意外なほどあっさり金を強奪できた二人は、その日から強盗稼業に熱中するようになる。研究熱心なふたりは犯行に必要な情報を吸収し、その手口は回を重ねるほど洗練されてゆく。 生活も安定してきたある日、新進企業アーステック社から、ディックに"我が社にきてほして"との連絡が。強盗稼業が板に付いたディックはあっさり断るが、ジェーンは"足を洗うチャンスをフイにした"と怒り、ビルを連れて実家に帰ってしまう。改心して面接に出かけた彼は、副社長のポストを用意しているという提示に心を動かされる。ところが、そこに現われたのはマカリスター。アーステック社は彼が起こした新会社だったのだ。
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_Movie Information | Dondetch_ |