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![]() 過去と闘え。 未来と闘え。 2005年第58回カンヌ国際映画祭 国際批評家連盟賞受賞 世界が涙した最上級の人間ドラマ。<泣拳>その感動に魂の震えが止まらない! ![]() 交わるはずのないふたりが、<希望>を掴み取ろうとする<想い>によって引き寄せられてゆく! かつてはアジア大会の銀メダリストとして名を馳せた人気ボクサーのカン・テシク(チェ・ミンシク)。しかし事業に失敗、莫大な借金を抱えてしまう。生きるためには、「殴られ屋」として街頭に立つしかなかった。魂の拠りどころだった銀メダルも借金の方に取られ、夢もプライドも失った彼に、追い討ちをかけるように妻が離婚を要求。妻に未練はなかったが、最愛の息子との別離だけは耐えられなかった。後遺症とアルコールで朦朧とするテシクの目に「新人王戦」のポスターが焼きつく。 ケンカとカツアゲの荒んだ毎日を送る、19歳のユ・サンファン(リュ・スンボム)。行き着いた先は少年院。そこでも問題を起こした彼を、刑務主任はボクシング部へと誘う。やりたいことも、なりたいものもなかった彼は、初めて自分にも何かができるという意志と喜びを得る。だが建設現場で働く父が事故死し、祖母も病に倒れてしまう。生まれて初めて家族のために何かをしたい、という思いに駆られたサンファンは「新人王戦」でトップに立つ、と心に決める。 ![]() 最後のプライドまで踏みつけにされた男の哀しさを宿したカン・テシクに『シュリ』『オールド・ボーイ』の超実力派俳優、チェ・ミンシク。無軌道に、衝動的に転落していくユ・サンファンに、ストリート感覚と飄々としたユーモアを併せ持つリュ・スンボム。ミンシクをして「いつか必ず共演したかった」と言わしめた若手俳優は「いまどきの若者」特有の無気力感と、一転して真摯にボクシングに打ち込むその落差を完璧に体現、大先輩ミンシクとのコラボレートは、あらゆる世代に支持されるリアルな物語を紡ぎだした。 このふたりをここまで本気にさせた監督は、ジャッキー・チェン、ジョン・ウー、サム・ペキンパー、そして北野武を見て育ったというリュ・スンワン監督。アウトサイダーをビビッドに描いた『ダイ・バッド/死ぬか、もしくは悪になるか』(00.未)でインディペンデント・シーンから一挙にメジャーに駆け上がり、長編4作目にしてカンヌ国際映画祭の評論家たちをねじ伏せた大注目株である。 クライマックスのボクシング・シーン、このチームは映画的な段取りを拒否。演じる役者ですら試合の行方が予想できなかったと語るそのストイックなガチンコ勝負は、見る者全ての"感動中枢"を直撃。<泣拳>が、魂を鷲づかみにする! ![]() 「"殴られ屋" 男性1分 女性2分 1万ウォン」という手書きのポスターを手にした中年の男。 ![]() 殴られ屋稼業がTVで紹介される。やってきたのは野次馬と借金取り。最後のよりどころだった銀メダルまでも借金の形に取られてしまう。そんな悲惨な日々を送るテシクの前に、息子のソジンが「学校の"パパの授業"でお話をしてほしい」と頼みにくる。小学生を前に張り切って人生論を語り始めたテシクだが用意してきた原稿の文字が読めない。しどろもどろになり、黒板の字さえまともに書けない父親に失望するソジン。苛酷な稼業のダメージが視力も記憶力も奪っていたのだ。追い討ちをかけるように妻が再婚話を告げる。---最愛の息子にも会えなくなる---。だらしなく泥酔するテシクを見て、同情的だったソバ屋の主人(チョン・ホジン)は「ワケありの人生を送っているのはお前だけじゃない」とハードな一発をテシクの腹に見舞う。身も心もボロボロになり、酒でもうろうとするテシクの目に「新人王戦」のポスターが焼きつく。ウォンテと二人三脚の、必死のトレーニングが始まった。ジョージ・フォアマンは45歳でチャンピオンになった。俺はまだ40になったばかりだ...。 ■ROUND OF ユ・サンファン 喧嘩とカツアゲの荒んだ日々を送るサンファン、19歳。警察にやっかいになる度に、父親(キ・ジュボン)が頭を下げてひきとりにくる。ある日大きな喧嘩に巻き込まれ、示談金が必要になったサンファンは高利貸しの老人を襲って金を奪おうとするが失敗、現行犯逮捕されてしまう。少年院に送られた直後に早くも問題を起こし、独房で鬱屈するエネルギーを持て余すサンファンに、刑務主任が声をかける。連れて行かれたのはボクシング部だった。「工場では問題を起こしそうだし、負けん気だけは人一倍だ」とパクコーチ(ピョン・ヒボン)に引き渡されたが、「読め」と命じられたボクシング部の規則から目をそむけるサンファン。字さえ読めないのだ。そんなサンファンを先輩のクォルロク(キム・スヒョン)が挑発する。初日に食堂でケンカを売ってきた相手だ。闘志をむき出しに殴りかかっていくが、簡単にマットに沈められてしまう。ケンカとボクシングはまったく違う、と初めて気づいたサンファンは新人としてトイレ掃除からスタートを切ることになった。 そんなある日、建設現場で働いていた父親が事故死したという知らせにショックを受けるサンファン。残された祖母(ナ・ムニ)もまた、過労と心労が重なって倒れてしまった。ボクシングの試合に出る、という特例の許可で祖母を見舞うが、病院にいる祖母の意識は混濁し、孫の顔さえわからなくなっている。「うちの孫はカナダで大成功をしているんだよ」と話す祖母を見て、サンファンは密かに決意を固める。新人王戦に出たい、というサンファンにパクコーチの本気のトレーニングが始まった。「新人王戦が問題じゃない。俺がボクシングを教えるのは選手じゃなくて一人前の人間を育てるためだ」――― ■LAST ROUND 新人王戦の予選が始まった。かつての実力を見せつけ、次々と相手を倒すテシク。全試合をノックアウトで勝ち進んでいくサンファン。ついに決勝ラウンドへ進んだふたり。全てを失い、己の誇りを取り戻すために戦うテシク。家族のために立ち上がり、その愛に気づいたサンファン。テクニックのテシク。若さとスピードのサンファン。母親の制止を振り切ってソジンが会場に駆けつける。突然何かを思い出したように、足腰をシャンとさせた祖母もまた、孫の試合会場にたどり着く。 人生を賭けた、たった一度の対決が始まる----。
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_Movie Information | Dondetch_ |