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![]() 西暦2055年。 人類の長年の夢・タイムトラベルが可能になった時代。 シカゴにある大手旅行代理店タイム・サファリ社では、6500万年前にタイムトラベルし、恐竜狩りを楽しむという画期的なツアーが人気を集めていた。 しかし、人々はまだ気づいていなかった。過去への旅が、恐ろしい危険をはらんでいることを…。 ![]() それはツアー中、客の一人が気づかぬうちに、"わずか1.3gの何か"を過去から持ち帰ってしまったことで、進化するはずではなかった生物を進化させ、未来へとつながる生態系進化を大きく変えてしまったために生じた異変だった。 トラヴィスたちは原因追及に乗り出すが、その間にもタイム・ウェイブがもたらす異常進化は、昆虫、やがて小動物から大型動物へと影響を及ぼし、遂には見たこともない凶暴な巨大生物が群れをなして人間を襲い始めた! 異常進化が人類に影響を及ぼすまで、残り時間はあとわずか…。 最後の波が訪れる時、人類は絶滅してしまう…! 果たして、トラヴィスたちは過去を取り戻し、人類の未来を守り抜けるのか!? ![]() 原作はSF小説の巨匠レイ・ブラッドベリが1952年に執筆しながら、これまで映像化不可能といわれてきた作品「いかずちの音」。舞台が近未来とはいえ、「生態系の破壊」というテーマはいまや荒唐無稽な物語ではなく、地球温暖化などが進む現代社会に大きな警鐘を鳴らすもので、ブラッドベリのこの傑作が50年をへて映画化された意味はとてつもなく大きい。まさにSFファン待望の映画化である。 そして監督は、「2001年宇宙の旅」の続編「2010年」(84)をはじめ、「アウトランド」(81)、「タイムコップ」(94)など、数々のSF映画に演出の冴えを見せてきた鬼才ピーター・ハイアムズ。本作でも、未来世界の描写、タイムマシンをはじめとする数々のメカ、さらには別進化により誕生した未知のクリーチャーなどのディテールに、原作の持つノスタルジックな雰囲気にもこだわった徹底ぶりを見せているほか、彼の代表作として名高い傑作「カプリコン・1」(77)並みのハイテンションかつスリリングなアクション演出を全開させる! ことに後半の、第1波、第2波......と徐々に進化の波が押し寄せはじめてからのカウントダウン的展開のなかでの都市の変貌、追い詰められていく人類の恐怖は、まさに加速度的ジェットコースター感覚で描かれ、見る者に息をもつかせぬ迫力。そのハラハラドキドキのスリル感は、従来のSF映画を超えた21世紀型パニック・アトラクション・ムービーとして、ハイアムズ演出の新しい魅力を見せつけている。 ![]() 主役のトラヴィス・ライヤー博士を演じるのは、「マクマレン兄弟」(95)やジェニファー・アニストン、キャメロン・ディアス出演の「彼女は最高」(96)の監督・脚本で次代のハリウッドを担う才能と注目され、俳優としても「プライベート・ライアン」(98)、ロバート・デ・ニーロ共演の「15ミニッツ」(01)の代表作があるエドワード・バーンズ。タイム・サファリ社の利益優先型経営者ハットンを演じるのは、アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞の「ガンジー」(82)や「シンドラーのリスト」(93)で演技派としての地位を確立し、今年はロマン・ポランスキー監督の「オリバー・ツイスト」(05)でも魅力を発揮したばかりのベン・キングズレー。人類滅亡阻止の鍵を握るソニア・ランド博士にはアカデミー賞作品賞受賞の「ブレイブハート」(95)、ショーン・ペン共演の「悪魔の呼ぶ海へ」(00)、ロバート・レッドフォード、ブラッド・ピット共演の「スパイ・ゲーム」(01)などで大物俳優の信頼も厚いキャサリン・マコーマックといずれ劣らぬ実力派が集結。人類の未曾有の危機に勇敢に立ち向かう人々を演じている。 2005年/アメリカ/1時間42分/シネマスコープ/カラー/ドルビーデジタル・SDDS/日本語字幕:林完治/原作:レイ・ブラッドベリ「太陽の黄金の林檎」(ハヤカワ文庫刊)/配給:松竹
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