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![]() 楳図かずおの伝説的コミックが金子修介監督によって遂に映画化! 身近に潜む恐怖を描く戦慄の楳図ホラー決定版! ![]() 弟思いの姉が出会う、弟を取り巻く不可解な出来事、そして娘を溺愛する父親だったはずの人間の狂気の沙汰への豹変。一見平穏に映っていた日常を一転して恐怖のどん底へ変貌させる、孤高の楳図ワールドを、金子修介がその確かな腕で描きあげる。安穏に生きていたはずの人間の深層に潜むリアルな残虐性を浮き彫りにし、楳図かずおの恐怖の真骨頂を発揮した、戦慄の楳図ホラーが誕生した! 当初メガホンを取ろうとしたのは、劇場公開作品としては『デビルマン』を最期に、2005年2月27日に肝臓ガンの為に急逝した故・那須博之監督だった。一度は映画化の道が閉ざされそうになったが、那須監督の助監督時代からの後輩であり、公私に渡り深い親交のあった金子修介監督が遺志を継ぐことに。 金子監督は自身の人生を「那須さんと出会った」人生だと語る。作品冒頭の"映画監督 那須博之に捧ぐ"の文字には、金子監督や、那須監督と共にこの脚本を書き進めてきた松枝佳紀を初めとして彼を偲ぶスタッフの深い想いが強く込められている。 ![]() 黒い絵本。惨殺される少女たち。 少年の悪夢は現実となる。 ![]() 「お姉ちゃん、僕もうすぐ死ぬんだ」 ソウは、以前からイズミに、そんな話をしていた。彼には、"人間の悪意を夢で予知する"という不思議な力があった。ソウの見る悪夢は、現実の世界のどこかで本当に起こっていることらしい。大人たちは彼の荒唐無稽な夢の話を真に受けなかったが、姉のイズミだけは、彼を信じてあげようとしていた。運ばれた病院で手当てを受けるソウを前に、イズミは彼が言っていた言葉を思い出す。 「お姉ちゃんなら僕を助けることが出来る。よくわからないけど、赤い携帯電話が大事なんだ...」。 木々がうっそうと茂る山の中の古びた洋館に、久保田光一郎(田口トモロヲ)は、娘モモ(清水萌々子)と二人で暮らしている。足が悪く、ベッドから動けないモモは、光一郎が描いてくれる絵本だけを楽しみにしていた。光一郎が仕事から帰って来ると、モモは早く新しい絵本を読んで欲しいとせがむ。嬉しそうに絵本を見つめるモモ。しかし、黒いスケッチブックに描かれたその絵本は、捨てられた人形を拾った心優しい女の子が、突然何者かに鉤爪で首を刺されて吊り上げられ、首から血を噴き出して殺されるという、あまりにも残酷な話だった。 イズミは、ソウの病室で見た夢の中で、赤い携帯電話を拾う。「赤い携帯電話が大事なんだ...」夢から覚めたイズミは、ソウの言葉を思い出し、病院の中で壊れた赤い携帯電話を見つける。耳を当ててみると、電話からは意識を失っているはずのソウの声が聞こえてきた。壊れた携帯は、ソウの悪夢の中と、どこかでつながっているらしい。 「お姉ちゃん、急いで。黄色い電車に乗って、行けるところまで行くんだ。 そこに悪い人の住む町がある」 「捕まっている女の子を助けてあげて」 イズミはソウを助ける決心をし、その町へ探しに出かける。 「お姉ちゃんは、青い携帯電話を持ってる青い女の人と出会って、白い家に行くんだ」 イズミは、ソウが以前話していた言葉を思い出しながら、光一郎たちが住む町を歩きだした。そして、祭りで賑わう人の中、行方不明の少女・アユ(紗綾)を探している、青い服を着たヨシコ(前田愛)に出会う。ヨシコは、青い携帯電話を持っていた。イズミが、ヨシコに事の経緯を話すと、ヨシコもまた、毎晩、アユが助けを求める夢を見ると言う。二人は一緒にその白い家を探し始める。 キエ(かでなれおん)とヨウコ(今井春奈)が、おいしそうな匂いにつられて、通りがかった山小屋の中に入ると、そこにはたくさんのケーキが並んでいた。小屋には誰もいなかったので、お腹が減った二人が勝手にケーキを食べ始めたとき、奥の部屋のドアが開き、現れた男が突然斧を振り下ろした。 徹夜で新しい絵本を描いていた光一郎は、最後の絵が上手く描けなかったため、机に置いた絵の見本――キエとヨウコの首を、冷蔵庫に入れて仕事にでかけた。光一郎の留守中、新しい絵本見たさに、悪い足を引きずって階下に降りたモモは、その冷蔵庫を開けてしまう。 その頃、ソウの言葉をたよりに光一郎の家まで辿り着いていたイズミとヨシコは、モモの悲鳴を聞きつけて家の中へ入り、そこが探していた「白い家」であることを知る。 一方、絵本のことが気になって仕事が手につかない光一郎は、仕事を放りだして家に帰って来る。モモはベッドに戻り、冷蔵庫の首のことも、二人が来たことも知らないふりをしたが、光一郎は留守中の異変に気づく。イズミとヨシコは屋根裏部屋に隠れるが、探していたアユがそこで無残な死体となって吊るされているのを見つけ、驚愕のあまり音を立ててしまう。二人は光一郎に見つかって、地下室に監禁される。光一郎の目は、既に常軌を逸した光に満ちていた。彼は二人を釘打ち機で床に磔にして、二人の体に釘を打ち込んだ。 王様が二人の魔女を釘で打って磔の刑にするという、新しい絵本の話を光一郎から聞かされたモモは、不安と恐怖にさらされる。 「パパが...殺したのね。いままでのお話もぜんぶ、本当にあったお話なのね...」 それを聞いた光一郎の表情は、それまでモモに向けていた優しいパパの笑顔から、不安と怒りと哀しみが入り混じった、複雑な狂気を帯びて豹変する。 「絵本に出てくる女の子は、ぜんぶお前なんだよ!」 光一郎がモモに包丁を向けたとき、瀕死のイズミが現れて、モモを助けようと必死に戦う。しかし、ついに力尽きたイズミの体に、光一郎の包丁が突き刺さる。イズミが床に倒れたそのとき、どこからかソウの声が響き、やがて信じられないできことが起こる――。 「我が左の手は、正しき者を蘇らせる神の左手。 我が右の手は、悪しき者を滅ぼす悪魔の右手...」
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_Movie Information | Dondetch_ |