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![]() 呪いの黒髪に刻まれた運命が、哀しき姉妹に絡みつく。 ![]() “かつら”に人格を奪われる妹スヒョンを演じるのは、『亡国のイージス』『非日常的な彼女』で抜群の存在感と演技力を披露したチェ・ミンソ。化学治療で髪を失う妹を演じるために、自らの髪の毛を剃ってまで役にのめり込み、その女優魂を見せつけている。また、妹思いの優しい姉ジヒョンには『4人の食卓』のユソンが抜擢され、交通事故で声を失ってしまった、セリフを発しない難役を見事に演じ上げている。 さらに、長編初監督ながら有望な才能を余すところなく発揮した、ウォン・シニョンの演出。典型的な血なまぐさいホラーとは一線を画す、洗練された脚本。それらのすべてが一体となって、観る者を未体験の心理的恐怖へと陥れていく『鬘かつら』。愛憎、嫉み、復讐。哀しき姉妹の心の闇にまとわりつく、黒髪の正体とは。そして、彼女たちと“かつら”との、恐るべき因果とは。この夏、ホラー映画を新次元へと導く黒髪の戦慄が、妖しく日本に絡みつく。 ![]() それは、決して手に入れてはならない美しさだった。 ![]() 死の病に冒されているスヒョン(チェ・ミンソ)は、化学治療のせいで、すべての髪の毛を失ってしまった。そんな余命わずかな妹と残りの時間を過ごすために、姉のジヒョン(ユソン)は彼女を退院させ、長い黒髪の“かつら”をプレゼントする。たちまち、その艶やかな黒髪の魅力に、取りつかれていくスヒョン 。何故だか、“かつら”を身につけている間は、病気が回復したかのように、生き生きとした美しい女性に変身することができるのだ。まるで、別人になってしまったかのように…。しかし、その美しさを手に入れてから、スヒョンは黒髪の幻覚に襲われるようになった─。 その“かつら”の怨念に、まだ誰も気づいていなかった。 不運な交通事故で声を失ったジヒョンは、スヒョンが入院中に、恋人のギソク(ムンス)と別れを迎えていた。そのことを知らない妹の前では明るく振る舞っていたが、彼への想いを断ち切れないでいるジヒョン。そんなある晩、友達のギョンジュが彼女の家に訪れ、スヒョンの“かつら”を借りていってしまう。“かつら”が無くなり、良好だった体調が嘘のように、苦しみ出すスヒョン。彼女が執拗に黒髪を求めていたその夜、何と“かつら”をつけていたギョンジュは不可解な死を遂げていた。そして翌朝、“かつら”は何もなかったかのように、スヒョンの元へと戻っていたのだった─。 ![]() 自らがスヒョンに贈った“かつら”を巡り、信じられない現象が起こる中で、ジヒョンもまた黒髪にまつわる不気味な悪夢を見るようになっていた。一方、さらに“かつら”へと執着していくスヒョンは、その妖しげな美しさでギソクを誘惑するようになる。信じられない妹の豹変ぶりに、言い知れぬ恐怖を抱いていくジヒョン。やがて、愛する妹が“かつら”の霊に侵されていると確信した彼女は、スヒョンから“かつら”を奪い取り、その黒髪をはさみで切り刻んでしまう。しかし、既に“かつら”に人格を奪われてしまったスヒョンは、黒髪を求め、再び入れられた病院から失踪してしまった─。 その“かつら”の記憶は、哀しき姉の過去と絡みついていた。 消えてしまったスヒョンを捜索するうちに、すべての元凶である“かつら”を製造した店に辿り着いたジヒョン。そこには、その“かつら”が生まれた秘密を知る、ひとりの女性がいた。彼女の口から明かされる、黒髪に刻まれた悲しき過去。“かつら”に宿された呪いの記憶は、何とジヒョン自身の過去と結びついていたのだ。その後、“かつら”に侵蝕されてしまったスヒョンを追い、ギソクの家にやって来た彼女が、目の当たりにしたものとは。そして、“かつら”がふたりの姉妹を襲った、真の目的とは。黒髪に秘められた呪いの真実を知ったとき、さらなる恐怖が哀しき姉妹に絡み始める─。
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_Movie Information | Dondetch_ |