
セレブリティたちは、彼女の前で何故、裸になるのか。
ジョン・レノン暗殺の数時間前の伝説の写真を撮った、世界一有名な女流写真家アニー・リーボヴィッツ。
彼女の人生を描いた、現代のすべての女性に捧げるドキュメンタリー!
感動とセンセーション─
アニーの名前を世界に知らしめた2枚の写真
アニー・リーボヴィッツの名前を知らなくても、この写真を知らない人はほとんどいないだろう。全裸のジョン・レノンが、黒いセーターとジーンズをまとったオノ・ヨーコに、しがみつくように寄り添う写真。そこには、音楽史に名を残すスーパースターが心まで裸になって、妻に愛と信頼を捧げる姿が写されている。1980年12月8日、この撮影を終えた数時間後にジョンは暗殺された。彼の最後の一日を永遠に留めたこの一枚は、1981年1月に特別追悼号として刊行されたローリングストーン誌の表紙を飾り、伝説の写真として撮影時の感動的な秘話と共に今も語り継がれている。
セレブリティの衝撃的な姿をとらえて、センセーションを巻き起こすというアニーのもう一つのスタイルを代表する一枚が、妊娠中の大きなお腹を抱えたデミ・ムーアのヌード写真。ファッション誌ヴァニティ・フェアの表紙に選ばれ、ワイセツか母性への賛美か、世界中に大論争を巻き起こした。掲載誌が発売禁止処分になった州も出た問題の一枚だ。
なぜ、セレブリティたちはアニーになら心を裸にし、
華やかな世界の裏側を見せるのか?
アニーにレンズを向けられたセレブリティのなかのセレブリティたちの膨大な人数と顔ぶれには、圧倒されずにいられない。ミック・ジャガー、パティ・スミス、レイ・チャールズ、ブラッド・ピット、ウーピー・ゴールドバーグ、ジョージ・クルーニー、アーノルド・シュワルツェネッガー、ヒラリー・クリントン、ドナルド・トランプ、ミハイル・バルシニコフ、マルチナ・ナブラチロワ、マイケル・ジョーダン……ミュージシャン、映画スター、政治家、実業家、ダンサー、スポーツ選手など、あらゆるジャンルを網羅したこのリストは、まだまだ延々と続くのだ。
彼女の写真で、何よりも見る者を釘付けにするのは、セレブリティたちの思いがけない表情だ。アニーに撮ることを許したオフの写真にも、アニーが周到かつ大胆に計算したシチュエーションで新たな自分を演じる写真にも、そこには確かに裸になった心が写っている。被写体になったセレブリティたちは語る、「アニーは特別だ」。彼女に撮られるのなら、殺人的なスケジュールを変更することも厭わないセレブリティたち。なぜ、アニーは華やかな世界を生き抜いてきた彼らの心を、無条件に開かせることができるのか? その答えは、アニーの〈生き方〉にあった。
強く新しく自由に─
21世紀を生きるすべての女性たちに希望を贈る生き方
アニーの輝かしいキャリアは、20歳の若さで始まった。1970年、いきなりローリングストーン誌の表紙を飾ったのだ。さらに1975年のローリング・ストーンズのツアー・ドキュメントが、彼女を一躍有名にする。1983年にはファッション誌ヴァニティ・フェアに移籍、これを機にロック・ミュージシャン中心だった被写体が一気にセレブリティ全般に拡大、年齢を重ねるに従ってますます柔軟になるという奇跡の感性から生み出す写真を、次々と世に送り続けている。
『アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生』は、「死にゆくその日も写真を撮っていたい」と語るアニーの、パワフルな日々を追いかけたドキュメンタリー映画だ。アニーの妹であるバーバラ・リーボヴィッツ監督は、決して妥協しないアニーの情熱的な仕事ぶりをとらえると同時に、何人ものセレブリティにインタビューを行う。レンズの向こうとこちらで、アニーと魂のやり取りをした彼らは、大切な宝ものを見せるかのように、撮影裏話を披露している。
さらに、アニーと仕事をしたスタッフから、そしてアニー自身の口からも彼女の人生がストレートに語られる。身も心もロックに捧げ、ドラッグも体験した若き日々、チャンスのつかみ方、スランプ脱出法、名声を得てからも常に忘れないチャレンジ、50歳になって突然思い立った出産のエピソード、愛する人との胸を切り裂く別れ……。そこから浮かび上がるのは、強く新しく自由な生き方だ。撮影が終了すると、モデルたちに「ブラボー!」と拍手するアニー。アニーの人生を知った私たちは、彼女にこそ、その賛辞を贈らずにはいられない。「最高、ありがとう、ブラボー!」

「死にゆくその日も写真を撮っていたい。なぜって、写真は永遠よ。」
アニー・リーボヴィッツ
世界を駆けまわる多忙な毎日─
女性フォトグラファー、アニー・リーボヴィッツは、世界中を駆けまわる日々を送っている。ある日は、ハリウッドでヴァニティ・フェア誌の撮影。アニーの指示に応えるのは、俳優のジョージ・クルーニーだ。別の日にはパリに飛び、ヴォーグ誌の撮影。被写体は、映画『マリー・アントワネット』の衣裳で着飾ったキルスティン・ダンスト。「仕事は楽しくて、興味深い瞬間だらけなの」超一流映画スターを起用した撮影に、プレッシャーではなく喜びと興奮を感じる、それがアニーのスタイルだ。
全米各地を転々とした少女時代─
アニーは、集大成となる写真集を作ろうとしていた。ハドソン川沿いの美しい自然に囲まれた彼女の家の納屋を覆いつくす、膨大な数のセレブリティの写真。しかし、それに負けないくらい多いのは、家族の写真だ。父が米国空軍に勤めていたので、アニーが幼い頃のリーボヴィッツ家は、基地を転々と引っ越した。家族写真を撮るのが大好きだったモダン・ダンサーの母の影響で、1967年にフィリピンに移ったとき、アニーは初めて自分のカメラを買う。その後、サンフランシスコの学校で、本格的に写真を学んだ。
身も心もロックに捧げた70年代─
1970年、アニーは大量の写真を抱えて、ローリングストーン誌編集部を訪ねる。ポップカルチャーの最先端を行くこの雑誌から、アニーの輝かしいキャリアが始まった。最初の大仕事は、ジョン・レノンのインタビュー。しかし、このビッグ・チャンスが向こうからやって来たわけではない。アニーは必死で懇願してこの仕事を得た。無名のアニーに優しく心を開くジョンとの出逢いが、彼女のその後の生き方を決定付ける。オノ・ヨーコが、アニーの本質をひと言で表す。「彼女は“魂”を撮りたがっていた」
アニーが「ロック界一のカメラマン」の名をほしいままにしたのは、ローリング・ストーンズのツアー・ドキュメントだ。1975年、アニーはツアーに完全密着し、誰も見たことのないバックステージをとらえた。それは、彼らと友情が芽生えたアニーにしか撮れない写真だった。
写真人生を変えたニューヨークの師─
1977年、メジャーな雑誌へと成長したローリングストーン誌は、カルチャーの中心地ニューヨークへ移る。そこでマンネリに陥っていたアニーは、出版デザインでカリスマ的存在のビア・フェイトラーに師事する。彼女からミュージシャンを並べて撮っただけの写真を「とんだ大失態」と叱責されたアニーは、写真のコンセプトを考え始めた。何千本ものバラの上に寝そべるベット・ミドラー、顔を青くペイントしたブルース・ブラザース、燃え盛る炎の前に立つパティ・スミス─アニーの写真に、ストーリーやメッセージを感じた読者は、まるで連載を追いかけるように夢中になった。
死の当日に撮影した、ジョン・レノン最後の写真─
初めて会ってから10年、アニーの活躍をジョンとヨーコは「親のように誇りに思ってくれた」と言う。長い主夫生活の後、久しぶりにニュー・アルバムをリリースしたジョンの撮影中に、即興的なやり取りから黒いセーターとジーンズを着たヨーコに全裸でしがみつくジョンの写真が生まれた。二人の絆を表現した感動的な写真を撮った数時間後、アニーのもとに衝撃的な報せが届く。ジョンが暗殺されたのだ。ジョンの最後の一日を永遠に留めたこの写真は、ローリングストーン誌の表紙を飾り、伝説の一枚となった。
華やかなセレブリティの真実に迫る─
アニーに、新たなチャンスが訪れる。ヴァニティ・フェア誌への移籍だ。ファッションに興味のなかったアニーだが、それまでの名声を白紙にするつもりで猛然と勉強し、幅広いジャンルのセレブリティに堂々とレンズを向けた。アニーの情熱を支えていたのは、セレブであろうとも一人の人間である彼らへの興味だった。その結果、アニーはセレブたちの思いがけない一面を引き出した。なかでもセンセーションを巻き起こしたのは、妊娠したデミ・ムーアのヌード写真だ。どんな高名なセレブリティでも、アニーが撮るなら、すぐにスケジュールをあける─今やアニーはそんな存在になった。そんな仕事一筋のアニーに変化が訪れた。「突然子供が欲しくなったの」50歳を過ぎてから出産したことを、楽しそうに語るアニー。
─写真集のためのセレクトに余念がないアニーの指が、一枚の写真の上で止まる。強く自由に生きてきた人生を振り返ったアニーは、最後に最愛の人との別れを、ありのままに語ろうとしていた─。
Photographs (C) 2007 by Annie Leibovitz

予告編・特報をご覧になる場合はパソコンの環境に合わせて、以下からお選び下さい。
Windows Media(SMALL・512K) |
Real Media(SMALL・512K) |
Windows Media(LARGE・1M) |
Real Media(LARGE・1M) |
※予告編または特報の映像をご覧になるには、Windows MediaPlayerもしくはRealplayerのプラグインをダウンロードして下さい(無料)。
※下記のボタンから無料でダウンロードすることができます。

監 督 |
バーバラ・リーボヴィッツ |
キャスト |
ジョン・レノン/オノ・ヨーコ/デミ・ムーア/ジョージ・クルーニー/キルスティン・ダンスト/ブラッド・ピット/アンジェリーナ・ジョリー/ジュリア・ロバーツ/レオナルド・ディカプリオ/ニコール・キッドマン/アナ・ウィンター/ヒラリー・クリントン/キーラ・ナイトレイ/キース・リチャーズ/マイケル・ジャクソン/ミック・ジャガー/ジョージ・ブッシュ/マイケル・ムーア/アーノルド・シュワルツェネッガー/ウーピー・ゴールドバーグ/スーザン・ソンタグ/ミハイル・バリシニコフ/ウィリアム・S・バロウズ/シンディ・クロフォード/ユマ・サーマン/ジェイミー・フォックス/ジュリアン・ムーア/クェンティン・タランティーノ/ジャック・ニコルソン/ロバート・ダウニーJr/ジム・キャリー/パティ・スミス/ザ・ホワイト・ストライプス/ベット・ミドラー/ブルース・ブラザーズ/クリス・ロック/ビル・ゲイツ/リチャード・ニクソン/ローリー・アンダーソン/妹島和世/ブルース・スプリングスティーン/ドナルド・トランプ/ロザンヌ・キャッシュ/コリン・パウエル/ビル・クリントン/ロバート・ヒューズ/ジェフ・クーンズ |
公 開 |
2008年2月シネマGAGA!、シネカノン有楽町2丁目他全国順次ロードショー
|
公式サイト |
http://annie.gyao.jp/
|
|

|
|