『オーケストラ!』オススメ最新映画情報


_ オーケストラ!




『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』をおさえ、パリでオープニングNo.1を記録!
チャイコフスキー、モーツァルト──クラシックの名曲の数々にのせて贈る、寄せ集めオーケストラが巻き起こす奇跡の物語


 ロシア・ボリショイ交響楽団で劇場清掃員として働くさえない中年男アンドレイが、楽団の指揮者のふりをして、偽のオーケストラを引き連れ、芸術の都パリに乗り込んだ──! 

 実は彼は、かつてはボリショイ交響楽団の主席まで務めた、正真正銘の天才指揮者。しかし、名声の絶頂期に起きたある事件が原因で、指揮者の座を追われる。それから30年、ひたすら負け組人生を歩み続ける彼に、一発逆転のチャンスが訪れた。きっかけは、清掃中に届いた1枚のFAX。パリのシャトレ座からの出演依頼だ。それを読んだ瞬間、彼の頭の中で、とんでもないアイデアが閃いた。彼と同じく落ちぶれた昔の仲間を集めて、ボリショイ交響楽団になりすまし、生涯の夢だったパリ公演を成功させようというのだ!

 救急車にタクシーの運転手、蚤の市業者、ポルノ映画のアフレコ──様々な職業でかろうじて、しかし逞しく生きている元名演奏家たちが再び集まり、ガラクタオーケストラが誕生した。演奏曲は、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。アンドレイがソリストに指名したのは、今をときめくパリ在住のスターヴァイオリニスト、アンヌ=マリー・ジャケ。

 思う存分パリを楽しみ、リハーサルを一切しないオーケストラ。常識外れの彼らにどんどん不安になるアンヌ=マリーとシャトレ座の支配人。さらに、アンドレイの真の目的は、己の復活だけではなかった──。果たしてコンサートの行方は?

愛すべき負け組たちの大逆転に、笑って、泣いて、拍手喝采!

 人生のすべてだった音楽を奪われ、抜け殻のようになったアンドレイ。いつか復職できるのではという淡い期待で清掃員に甘んじているうちに、30年の月日が経ってしまった。しかし、突拍子もない思いつきが、アンドレイを甦らせる。仲間を説得し、棚の奥からチャイコフスキーの楽譜を取り出し、二つに折れた指揮棒を握った時、アンドレイは再び、音楽と特別な関係を結ぶのだ。いくつになっても、勇気と情熱さえあれば、人生をやり直せることを証明してくれるアンドレイには、ロシアで偉大な俳優と讃えられているアレクセイ・グシコフ。

 アンヌ=マリー・ジャケには、『イングロリアス・バスターズ』で世界にその名を知られたメラニー・ロラン。透明感あふれる美貌で、アンヌ=マリーの芸術家としての繊細な魂と、両親を知らずに育った孤独感を演じ切り、新しい魅力を見せてくれる。その他、アンヌ=マリーのマネージャー、ギレーヌ役には、フランスを代表する女優、『恋愛睡眠のすすめ』のミュウ=ミュウ、シャトレ座の支配人には、『トランスポーター』のフランソワ・ベルレアンが扮している。

未来が見えない不安な世の中に、元気と幸せをくれる感動作

 本作のもう一人の主役は、もちろんクラシック音楽。チャイコフスキー、モーツァルトなど、数々の名曲が贅沢に使われている。ヴァイオリンを指導したのは、フランス国立管弦楽団の第一奏者、サラ・ネムタヌ。巨匠たちの音楽と物語の“究極のハーモニー”を目指した音楽監督は、アルマン・アマール。多くのバレエ音楽を作曲し、『ぜんぶ、フィデルのせい』『サガン─悲しみよ、こんにちは』などを手掛けた。また、コンサートのシーンは、パリのシャトレ座の全面協力を得て、すべてこの由緒正しい劇場で撮影された。

 監督は、ベルリン映画祭パノラマ部門で審査員特別賞と観客賞を受賞した『約束の旅路』のラデュ・ミヘイレアニュ。ソ連時代のボリショイ交響楽団で、ブレジネフ政権によってユダヤ人が排斥され、彼らをかばったアンドレイのようなロシア人が解雇されたのは、本当にあったこと。ミヘイレアニュ監督は、悲しい史実を基にしながらも、逆境を力強く笑顔で乗り越える人々をユーモアたっぷりに描き出した。明るい未来が見えない困難な時代と言われる現代、迷いながら生きる私たちに、抱えきれないほどの元気と、温かい涙を手渡してくれる感動作が誕生した。




ボリショイ交響楽団の清掃員が指揮者となり、偽のオーケストラを結成、パリの一流劇場に乗り込んだ!
コンサートの行方は? 彼の本当の目的とは──?

 転落! 天才指揮者から清掃員へ
 ロシア・ボリショイ交響楽団で、劇場清掃員として働くアンドレイ・フィリポフ(アレクセイ・グシコフ)。見るからにさえない中年のこの男が、かつては天才と讃えられた主席指揮者だったと聞いても、誰も信じないだろう。  1980年、当時の政府はユダヤ人を排斥、ボリショイ交響楽団からも多くのユダヤ人が連行され、それに反対したロシア人は解雇された。アンドレイは復帰を夢見て清掃員の座に甘んじたが、あれから30年、負け組人生がすっかり板についてしまった。

チャンス? 1枚のFAX
 いつものように、アンドレイがやる気のない態度で支配人の部屋を清掃していると、1枚のFAXが届く。パリのシャトレ座からの出演依頼だ。2週間後のLAフィルの公演が中止になったため、代わりに出演してほしいというのだ。  その瞬間、アンドレイの頭の中で鐘が鳴り、とんでもないアイデアが閃いた。クビになったかつての仲間を集めて偽のオーケストラを結成、ボリショイ交響楽団として、パリに乗り込もうというのだ。

誕生! ガラクタオーケストラ
 アンドレイはまず、元チェロ奏者、現救急車の運転手であるサシャ・グロスマン(ドミトリー・ナザロフ)に話を持ちかける。サシャは呆気にとられるが、アンドレイの熱意に押され、気がつけばアンドレイを救急車に乗せて、昔の仲間を訪ねていた。
 タクシー運転手に蚤の市業者、果てはポルノ映画のアフレコまで、彼らは様々な仕事でかろうじて生計を立てていた。そんな彼らのほとんどが、アンドレイの荒唐無稽な誘いを二つ返事で承諾する。元支配人のイヴァン・ガヴリーロフ(ヴァレリー・バリノフ)は、ユダヤ人の追放命令に従った共産党員だが、その交渉の腕を買ったアンドレイに頼まれてマネージャーを快諾、シャトレ座の支配人オリヴィエ・デュプレシ(フランソワ・ベルレアン)をうまく騙す。演奏曲はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、ソリストは若手スター、アンヌ=マリー・ジャケ(メラニー・ロラン)を指名した。問題のパスポートも、ジプシーのヴァイオリン奏者が24時間で全員の偽造品を調達、ついにガラクタオーケストラは、パリへ旅立った。

復活? パリでやりたい放題
 パリに着いても、オーケストラの面々は、自由奔放、勝手気ままなマイペース。迎えに来たシャトレ座のジャン=ポール・カレル(ライオネル・アベランスキ)に、ギャランティーを今すぐ支払え、酒だ、いや煙草だと要求、スケジュールは完全に無視で、リハーサルにすら現れない。トランペット奏者の親子は、せっせと行商を始める始末。  到着早々、アンヌ=マリーのマネージャー、ギレーヌ・ドゥ・ラ・リヴィエール(ミュウ・ミュウ)が、アンドレイを訪ねる。彼とは旧知の仲らしい彼女は、アンヌ=マリーに話すつもりかと詰め寄り、何ごとかをきつく口止めするのだった。

トラブル! ソリスト突然の降板
 大切なコンサートを前に、夕食を共にするアンヌ=マリーとアンドレイ。初めてのオーケストラと初めてチャイコフスキーに挑戦するアンヌは、アンドレイと本音で語りたいと願い、まだ赤ん坊の頃に両親が飛行機事故で死んだという身の上を語る。そして、なぜ私を選んだのかとアンドレイに尋ねるのだが、彼はなぜかレアという究極のハーモニーに到達できたはずの素晴らしいヴァイオリニストの、悲しい運命を語り始める。
 「私はレアの代わり?」失望したアンヌは、降板を告げるのだった。

夢は終わった──と、誰もが思った。
しかし、「嘘をついていてごめんなさい」と書いた手紙を残して消えたギレーヌが、アンヌ=マリーの心を変える。

帰国した楽団員のケータイに、メールが届く。「戻って来い! レアのために」
そしてついに、コンサートが幕を開けた──!


(c)2009 - Les Productions du Tresor

監 督  ラデュ・ミヘイレアニュ『約束の旅路』
キャスト  アレクセイ・グシュコブ/メラニー・ロラン『イングロリアス・バスターズ』/フランソワ・ベルレアン『トランスポーター』シリーズ
公 開  2010年G.W. Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座他全国順次ロードショー
公式サイト  http://orchestra.gaga.ne.jp/

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