主要部門受賞一覧



■決定!2008年・第65回ベネチア国際映画祭
 8月27日に開幕した伝統と格式を誇る世界最古の国際映画祭・第65回ベネチア国際映画祭は、9月6日最終日を迎え、以下の各賞が発表され閉幕しました。

 最大の注目コンペティション部門ですが、今年は日本から海外で絶大な人気を誇る北野武監督自らが売れない画家役(壮年期)を演じ、1997年の『HANABI』に次いで2度目の最高賞・金獅子賞を狙う意欲作『アキレスと亀』、また押井守監督『スカイ・クロラ』、宮崎駿監督『崖(がけ)の上のポニョ』と日本が世界に誇れるアニメーション2作品の計3作品が出品され、最高賞『金獅子賞』受賞に期待が集まりましたが、残念ながら他の公式賞も含め3作品ともに受賞は成りませんでした。

 主な受賞作品および今年のコンペティション出品作は以下の通りです(公式サイトより)。



 主な受賞作品一覧

■グランプリ・金獅子賞
『The Wrestler/レスラー』
[ダーレン・アロノフスキー監督]アメリカ

■監督賞・銀獅子賞
アレクセイ・ゲルマンJr.監督『Bumaznyj soldat (Paper Soldier)/ペーパー・ソルジャー』ロシア

■審査員特別賞
『Teza/テザ』[Haile Gerima監督(ハイレ・ゲリマ監督)]エチオピア/独/仏

■主演女優賞
Dominique Blanc(ドミニク・ブラン)『L'Autre/他者』仏

■主演男優賞
Silvio Orlando(シルビオ・オルランド)『Il papa di Giovanna/ジョバンナの父』イタリア
■マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)
Jennifer Lawrence(ジェニファー・ローレンス)『The Burning Plain/バーニング・プレーン』アメリカ
■オゼッラ賞(優秀撮影賞)
Alisher Khamidhodjaev(アリシャ・ハミドホジャエフ)、Maxim Drozdov(マキシム・ドロズドフ)『Bumaznyj soldat (Paper Soldier)/ペーパー・ソルジャー』ロシア
■オゼッラ賞(優秀脚本賞)
Haile Gerima(ハイレ・ゲリマ)『Teza/テザ』エチオピア/独/仏
■特別獅子賞
Werner Schroeter(ウェルナー・シュローター)

 コンペティション出品作一覧(公式サイトより/日本語表記は原題を含みます)

■北野 武監督『アキレスと亀』
 国:日本 時間:119分
■宮崎 駿監督『崖の上のポニョ』
 国:日本 時間:101分(アニメーション)
■押井 守監督『The Sky Crawlers』
 国:日本 時間:122分(アニメーション)
■ダーレン・アロノフスキー監督
『The Wrestler』

 国:アメリカ 時間:105分
■ギジェルモ・アリアガ監督
『The Burning Plain』

 国:アメリカ 時間:147分
■プピ・アヴァティ監督
『Il papa di Giovanna』

 国:イタリア 時間:104分
■マルコ・ベキス監督『Bird Watchers』
 国:イタリア/ブラジル 時間:108分
■Patrick Mario Bernard, ピエール・トリヴィディック監督『L'Autre』
 国:フランス 時間:97分
■キャスリン・ビグロー監督
『The Hurt Locker』

 国:アメリカ 時間:131分
■パッピ・コルシカート監督
『Il seme della discordia』

 国:イタリア 時間:85分
■ジョナサン・デミ監督
『Rachel Getting Married』

 国:アメリカ 時間:116分
■ハイレ・ゲリマ監督『Teza』
 国:エチオピア/独/仏 時間:140分
■アレクセイ・ゲルマンJr.監督
『Bumaznyj soldat (Paper Soldier)』

 国:ロシア 時間:116分
■Semih Kaplanoglu監督『Sut』
 国:トルコ/仏/独 時間:102分
■アミール・ナデリ監督
『Vegas: Based on a True Story』

 国:アメリカ 時間:102分
■フェルザン・オズペテク監督
『Un giorno perfetto』

 国:イタリア 時間:95分
■クリスチャン・ペゾルド監督『Jerichow』
 国:ドイツ 時間:93分
■バーベット・シュローダー監督
『Inju, la Bete dans l'ombre』

 国:フランス 時間:105分
■ヴェルナー・シュローター監督
『Nuit de chien』

 国:仏/独/ポルトガル 時間:110分
■Tariq Teguia監督『Gabbla (Inland) 』
 国:アルジェリア/仏 時間:140分
■ユー・リクウァイ監督
『Dangkou (Plastic City)』

 国:ブラジル/中国/香港/日本 時間:118分



 ベネチア国際映画祭とは?

 世界には映画祭と呼べるものが400とも500とも言われていますが、中でも歴史と伝統において他の追随を許さないのが、カンヌ、ベルリン、そしてこのベネチアの世界三大映画祭です。特にベネチア国際映画祭の歴史は古く、第1回が開催されたのは1932年(昭和7年)でした(カンヌは1946年、ベルリンは1951年から)。
 ベネチア国際映画祭と言えば当初、「自由な作品の上映」に、製作者、監督、俳優などから賛同を得、その規模を拡大していったのですが、いつしか政治が介入(もともと、ムッソリーニの映画好きは有名で、1935年には映画都市シネチッタを作ったほど)して、受賞作品を変更するというようなスキャンダルが発覚、次第にその権威を失墜していくことになります。カンヌ映画祭の栄華に比べ、その規模、華やかさとも次第に縮小されていくのですが、しかし今でもその伝統は受け継がれ、風格漂う国際映画祭として、その地位は揺るぎ無いものとなっています。
 ベネチアはイタリアの北東部に位置する港町ですが、映画祭は、そのベネチアを「観光都市に」との名目で始められたものでした。実際に映画祭の会場となるのは、ベネチアから船で15分ほど、アドリア海に浮かぶリド島です。ここで毎年8月下旬から9月初旬にかけて1〜2週間程開催されます。リド島はあの「ベニスに死す」で有名な、オテル・デ・バンがあり、現在では、他にも豪華なホテル、別荘などが立ち並ぶ歓楽地となっています。メイン会場は「パラッツィオ・デル・チネマ」。各国から、コンペティション部門に出品してきた作品が連日上映され、他にも招待作などを含めると100本近い作品が、開催中に上映されることになります。審査の対象となるのは、コンペティション部門の作品で、その中から、金獅子賞(最優秀作品賞)、銀獅子賞、主演男優賞、主演女優賞、監督賞などがそれぞれ選出されます。


 日本映画とベネチア映画祭

 過去、日本映画はベネチア国際映画祭と深い関係にありました。特に、戦後間もない1951年、荒廃した日本、そして未だ復興途上の日本映画界において、その中から唯一ベネチアに出品された、黒澤明監督作品「羅生門」が、見事グランプリを獲得したことは特筆すべきことでした。以降、国際映画祭における日本映画の進出が始まり、またその実績も素晴らしく、栄光の50年代と呼ばれることになります。ただし、ベネチア映画祭ではそれ以前の1938年(昭和13年)、既に坂具隆監督作品「五人の斥候兵」が大衆文化大臣賞を受賞しています。
 ベネチア国際映画祭における日本映画の主な受賞作品は、以下の通りです。


1938年「五人の斥候兵」 大衆文化大臣賞
1950年「羅生門」 サン・マルコ金獅子賞/イタリア批評家賞
1952年「西鶴一代女」 国際賞
1953年「雨月物語」 サン・マルコ銀獅子賞/イタリア批評家賞
1954年「七人の侍」 サン・マルコ銀獅子賞
1954年「山椒太夫」 サン・マルコ銀獅子賞
1956年「ビルマの竪琴」 サン・ジョルジョ賞
1958年「無法松の一生」 サン・マルコ金獅子賞
1961年「人間の条件」 サン・ジョルジョ賞/イタリア批評家賞
1961年 三船敏郎 男優賞
1965年「赤ひげ」 サン・ジョルジョ賞
1965年 三船敏郎 男優賞
1967年「上意討ち−拝領妻始末」 国際批評家連盟賞
1989年「千利休−本覺坊遺文」 サン・マルコ銀獅子賞
1991年「無能の人」 国際批評家連盟賞
1995年「幻の光」 金のオゼッラ賞
1997年「HANA-BI」 金獅子賞
2003年「座頭市」 特別監督賞

 金獅子賞他主要部門受賞一覧

 第1回から現在までの金獅子賞(最優秀作品賞)・男優賞・女優賞など主な部門の受賞作品・受賞者を一覧にしました。左フレームからご覧になりたい回数をクリックして下さい。